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連載2024.01.30

愛の心で一服㉛(愛の手紙コンクール入賞作品より)

真の友情を 君達から学んだ

「みんなありがとう。君達から真の友情を。最高の思い出をもらった。」

「先生、まっかせなさい。ちゃんと準備してるから。」

陽気でお茶目。腕白共をも一喝する自称「越後ご前」の自信に満ちた声。

「小学校最後の登山遠足。互いに励まし、力を合わせて成功させよう。」に。

私の不安は消えたが、心の片隅に、体の不自由(小児まひ)な女児のことがあったことは事実だった。

昼食、休憩をたっぷり一時間半。帰途についてまもなく、油汗を流し、足がよろめき出した女児。

「よし、先生がおんぶ。」声に出そうとした時だった。

「全員ストップ、計画実行。」ご前の一声。

男児が担いできた樫の棒で即製のモッコ。

「エッサ、エッサ」走る、交代する、走った。

汗びっしょりの全員の瞳が光った。

校門で待つ校長、保護者の拍手、拍手。お母さん方は涙。

子等と私は、こぶしで天を突いた。叫んだ。「やったぞう。」

応募時(新潟県76歳)遠藤敏碩