連載2023.07.07
愛の心で一服㉙(愛の手紙コンクール入賞作品より)
今日 7月7日は七夕
そしてカルピスの日でもあるそうです。
大人になって飲んでも美味しいのに、なぜか…懐かしい味ですね。
カルピスをありがとう
ももねえちゃん。母の妹、つまり叔母(おば)です。小さい頃から、ももねえと呼んでいます。
小生は、生まれた年に父が亡くなり、母が働かなければならず、祖父、祖母に育てられました。
小学三年の頃、初めて一人でバスに乗り、叔母の嫁ぎ先に遊びに行ったときのこと。
わが子以上に歓待してくれて「悠ちゃん、これがカルピス、うまかよ。
早(は)よ飲みんしゃい」と言って、コップに白い液体と氷の音が……懐かしい味です。
テレビも、ストーブも、カルピスも、叔母の家で初めて知ったのです。
帰りのバス賃、ノート類など買ってくれました。
母と違って体格のいい京塚昌子タイプの叔母が、小生の駆け込み寺だったのです。
でも、叔母の夫の叔父(おじ)があればこそ、その待遇は得られたのですね。
四十歳過ぎた頃、やっと実感して、叔父にありがとうをと思ったのです。
年を重ねるごとに叔父・叔母に対する心の愛を実感している五十五歳です。
応募時(東京都55歳)加唐悠嗣