連載2025.04.18
愛の心で一服 第39回(愛の手紙コンクール入賞作品より)
愛の手紙コンクールは今年度第30回目となりました。
今回紹介するのは、第1回目の優秀賞を受賞した作品です。
親しい友への手紙
拝啓 其の後も益々(ますます)御健在でしょうか。
さて、最近心温まる話題を耳にしましたので、貴兄にお伝えしようと筆を執りました。
ある高校で水泳大会の選手選びの時、小児マヒながら普通高校に通っているK子さんを、
いじめグループが「K子に出てもらおう」と、K子さんが選手に選ばれました。
K子さんもやってみるというのです。
水泳大会の日がやってきましたが、彼女にとって泳ぐことはとても大変です。
まわりはワアワアという奇声と笑い声でいっぱい。それでも何とかプールの中程まで来た時です。
男の人が背広を着たままでプールに飛び込み、「しっかりがんばるんだ!」
と励ましながら、K子さんと一緒にゴールしました。
この男の人は、K子の担当の先生でした。
奇声も笑い声も消え、プールのまわりは一瞬しんと静まりかえりました。
そして次の瞬間、一斉に拍手がわいたというのです。
感動のいのちは愛ですね 敬具
応募時(大阪府75歳)安福重富